琵琶湖に浮かぶ「神の棲む島」、竹生島。
琵琶湖八景のひとつにも数えられており、パワースポットとしても人気の島です。
竹生島には宝厳寺、竹生島神社(都久夫須麻神社)と数軒の土産物屋・飲食店があり、宝厳寺観音堂は西国三十三所の第三十番札所とされています。
滞在時間は70~80分。船の乗降時間の間に参拝します。
2022年8月に滋賀・彦根港から「オーミマリン」で竹生島へ行ってきたので、ご紹介します。
竹生島は琵琶湖に浮かぶ島
竹生島へは観光船で
竹生島は琵琶湖に浮かぶ島。長浜・彦根・今津の各港から汽船に乗って、約25分~45分で到着します。乗船料は往復で3000円前後です。
拝観料
<宝厳寺・都久夫須麻神社共通>
大人600円・こども(小学生のみ)300円
※宝物殿拝観には別途 大人300円・こども250円 が必要
交通
*彦根港発着「オーミマリン」約45分 ※運休期間あり
乗船料(往復) | おとな(中学生以上) | こども(小学生) | 学生(中・高・大学生) |
彦根港 → 竹生島 →彦根港 | 3000円 | 1500円 | 2400円 |
*長浜港・今津港発着「琵琶湖汽船」約25~30分 ※運休期間あり
乗船料(往復) | おとな | 学生 | 小学生 |
今津航路(今津港⇔竹生島港) | 2700円 | 2200円 | 1400円 |
長浜航路(長浜港⇔竹生島港) | 3200円 | 2600円 | 1600円 |
びわ湖横断航路(長浜港→竹生島港→今津港) | びわ湖横断航路(今津港→竹生島港→長浜港)2900円 | 2400円 | 1500円 |
駐車場
彦根・長浜・今津の各港にあり
拝観・納経時間
9:30~16:30(観光船就航時間に基づく)
オーミマリンで彦根から竹生島へ
私は彦根港から遊覧船に乗って竹生島へ行きました。オーミマリンが運航している遊覧船です。
1階は船内座席、2階はデッキになっています。天候が良ければ、断然デッキがおすすめ!
およそ45分景色を楽しんだら、竹生島へ到着です。(長浜・今津から出航の琵琶湖汽船の場合は約30分)
竹生島入島
竹生島に到着です。見上げると三重塔が。とりあえず下船して桟橋を渡りきると、見上げて写真を撮る人たちが多くいました。
そしてすぐに目に入るのが、こちら。
琵琶湖やその周辺の風景を題材とした「琵琶湖周航の歌」。1971年に初めて歌われた曲だそうで、それから多くの歌手によって歌い継がれました。加藤登紀子さんがカバーしたものが有名なようです。
この歌の4番にて竹生島が歌われており、碑にはその4番の歌詞が刻まれています。
先に進むと数軒の土産物屋・飲食店があります。
「帰ってきたら何を食べようかな~」とのぞきながら、どんどん進みます。
竹生島マップ*参拝コースを紹介
券売所で入島料を支払い、いよいよ竹生島を回っていきます。参拝した順序はマップ記載のとおり。
①竹生島港
②祈りの階段
③宝厳寺本堂
④三重塔
⑤唐門
⑥舟廊下
⑦竹生島神社(都久夫須麻神社)
⑧龍神拝所
⑨黒龍堂
では、竹生島めぐり、スタートです。
宝厳寺<西国第三十番札所>
それではまず西国第三十番札所「宝厳寺」へと向かいます。
まず165段の階段「祈りの階段」を登ろう
最初に見えてきたのがこの急な階段。
宝厳寺本殿へと続くこの165段ある階段は「祈りの階段」と呼ばれています。
まあまあ急な坂なので気をつけてのぼりましょう。
最初のこの鳥居には「竹生島神社」と書かれています。竹生島は神仏一体の聖地であったことから、この鳥居をくぐってお寺へ向かうこととなります。
そして2つ目の鳥居にたどり着くと、「宝厳寺」と書かれた石碑があります。
健康祈願「瑞祥水(ずいしょうすい)」
この2つ目の鳥居をくぐった左手に「瑞祥水(ずいしょうすい)」があります。
もともと湧水が出ていたのですが、昭和の終わり頃、川鵜の糞害により山の保水能力が下がり、水が湧かなくなってしまいました。そんな折、御本尊様のお告げにより約1年かけて井戸を掘ったところ、湖底下130mから清浄水が出たとのことです。
平成の中頃に掘られたその霊泉が「瑞祥水」。健康を祈り、この瑞祥水を飲んだり持ち帰ったりする参拝の方もいらっしゃいます。
鳥居の右手には手水所があります。
さあ、頑張ってまた階段をのぼりましょう。
宝厳寺 本堂(弁財天堂)の「幸せ願いだるま」
階段をのぼるとまた手水所があるので、手を清めます。
こちらが重要文化財・石造五重塔。
鎌倉時代に造られたものです。重要文化財の指定を受けている石造五重塔は全国で7基しかなく、これはそのひとつ。比叡山中から採掘される小松石で造られています。
そしてこちらが本堂。
宝厳寺・本堂。本尊は大弁才天です。神奈川・江の島、広島・厳島(宮島)と並ぶ「日本三弁才天」のひとつで、この中で最も古くに建立されたため、「大」の字をつけ「大弁才天」とされています。
この本尊は、開山時(七二四年)聖武天皇の勅命を受け、僧行基が開眼したものです。
弁才天は七福神の一人。人の穢れを払い「富貴・名誉・福寿」「愛嬌縁結びの徳」「子孫」を恵む神です。
以前は現在の都久夫須麻神社本殿を本堂とし、御本尊である大弁才天はそちらに安置されていたのですが、明治初めの神仏分離令などの影響により本殿は神社へ引き渡すこととなり、仮安置されることとなりました。そして昭和17年に現在の本堂が再建されそこに安置されています。
大弁才天は秘仏のため、前立弁才天にお参りします。秘仏の御本尊は60年に一回開帳され、次回の開帳は2037年です。
そして本堂の中で目を引くのがこちらの「弁天様の幸せ願いダルマ」。
お願い事を書いた紙を小さくて赤いダルマの中に収め、願を掛けて奉納します。奉納したダルマは、本堂にて一年間祈願していただけます。
本堂の左手には納経所があります。こちらで御朱印がいただけます。
御朱印
・本尊 大弁才天の御朱印(大弁才天)
・西国札所第三十番 千手千眼観音菩薩の御朱印(大悲殿)
・御詠歌(月も日も 波間に浮かぶ 竹生島 船に宝を 積む心地して)
私は西国札所第三十番 千手千眼観音菩薩の御朱印を頂きました。
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それではさらに上へと階段をのぼりましょう。
1602年植樹「もちの木」
三重塔の手前にあるのが「もちの木」。
この木は1602年、豊臣秀頼の後見役・片桐且元が秀頼の命を受けて観音堂、唐門、渡廊下を移築したときに、記念にお手植えしたものです。
2000年再建「三重塔」
江戸時代初期に焼失したと言われている三重塔ですが、2000年に再建されました。下から見上げると迫力がありますね。高さは15.5mとのことです。
雨宝童子が祀られている「雨宝堂」
三重塔の左手にあるのが、雨宝童子が祀られている「雨宝堂」。雨宝童子とは、神仏習合の両部神道における神で、天照皇大神が地上に降り立った時の姿だといわれています。
数々の宝物が収蔵された「宝物殿」
雨宝堂から奥に行くと「宝物殿」があります。「法華経序品(竹生島経)」(国宝)や弘法大師直筆「御請来目録表」(重要文化財)をはじめ、数々の宝物が収蔵されています。
宝物殿拝観料:大人 300円 こども 250円
それでは階段を下りていきましょう。
ぼけ封じ「楽寿観世音菩薩像」
観音堂へと下りていく階段の途中に、ぼけ封じ・諸病封じの楽寿観世音菩薩像があります。宝厳寺では「ぼけ封じのはし(箸)」を授与していただくことが出来ます。
幻の大坂城の唯一の遺構「唐門」(国宝)
宝厳寺 観音堂にやってきました。観音堂は西国三十番札所です。その観音堂に接して建てられているのが国宝「唐門」。豪華絢爛と言われた桃山様式の『唐門』の代表的遺構です。
この『唐門』は、秀吉を祀った京都東山の豊国廟に建っていた『極楽門』を豊臣秀頼の命により移築したものです。その『極楽門』の前身は大坂城の本丸北方に架けられていた『極楽橋』であると伝えられているため、『唐門』こそが秀吉が建てた幻の大坂城の唯一の遺構であろうと言われています。
この唐門は6年もの歳月をかけ、2020年に修復されました。
撫でると病気が治る「賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)像」
唐門をくぐったところにあるのが賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)像。
病のある人が自分の患部と同じところを撫でると病気が治ると言われています。そのため、「なで仏」とも呼ばれています。
宝厳寺 観音堂(重要文化財)
千手千眼観世音菩薩像は観音堂の御本尊であり、本堂に祀られている弁天様と同じく60年に一度だけ御開扉される秘仏で、厨子の中にいらっしゃいます。
次回の御開扉は2037年です。
御前立の菩薩像の背後にあるその厨子の扉には大きな二つの菊の御紋がありますが、その間のちょうど御前立像の背後にあたる位置には五七桐紋(豊臣家の家紋)があるそうです。
御座船の舟櫓で作られた「舟廊下」(重要文化財)
観音堂から竹生島神社に続く渡り廊下・舟廊下。
豊臣秀吉が朝鮮に出兵した際の御座船の舟櫓(ふなやぐら)の一部を使って作られたところが名前の由来となっています。長さは30m。この舟廊下までが宝厳寺です。
竹生島神社(都久夫須麻神社)
竹生島神社御本殿(国宝)
こちらが竹生島神社御本殿(国宝)です。御本殿の横に舟廊下が見えます。
本殿の建物中心部は、1602年、豊臣秀頼が伏見桃山城の勅使殿「日暮御殿(ひぐらしごてん)」の一部を寄進したものと伝えられています。
本殿前の階段を降りたところに、ふたつの白い鳥居が見えます。
一方は厳島江島神社で祭神は厳島大神と江島大神。もう一方は天忍穂耳神社(あめのおしほみみじんじゃ)と大己貴神社(おおなむちじんじゃ)です。
竹生島 八大竜王拝所*「かわらけ投げ」で願い事成就
八大竜王拝所、通称「竜神拝所」。この拝所は島の突端の岩場にあり、竹生島一番の絶景ポイントとなっています。
ここから湖の方を見下ろすと「宮崎鳥居」と呼ばれる鳥居があります。
この拝所には「かわらけ投げ」の風習が残っており、宮崎鳥居へ向かって投げた「かわらけ(土器)」が鳥居をくぐると願い事が成就すると言われています。
鳥居のまわりには「かわらけ」がたくさん落ちていて、地面が白っぽく見えますね。
私も投げましたが、鳥居をくぐりませんでした。残念。
こちらの八大竜王拝所で、竹生島神社の御朱印が頂けます。
御朱印は紙での頒布のみとなっており、枚数には限りがあります。(2022年8月)
竹生島神社参拝道
竹生島神社から舟廊下に沿って階段を降りると、舟廊下の土台部分を見ることが出来ます。斜面に立っているので、懸造り(かけづくり)になっています。
清水の舞台みたい。
こちらは観音堂。さきほど通った観音堂の廊下はあんなに高いところにあったんですね。
黒龍堂
参拝道を港に向かって歩いていると見えてくるのが黒龍堂。
黒龍は、八大龍王の一尊。龍王は、大海に住み雨を降らす神である。また、釈尊の誕生時には歓喜の清浄水(清めの雨)を降らせたと伝えられ、修行者の修道無難、道念増進の守護神でもある。
黒龍堂
隣に立つ大木は、黒龍が湖より昇ってくると伝えられる神木だそうです。
それではそろそろ港の方に戻りましょう。鳥居をふたつくぐって行きます。
名物「近江牛まん」を実食!
さあ、時間も残り少なくなってきて、何か食べたいと焦っていた時に目に入って来たのが「近江牛まん」の文字。
早速買って食べます!
半分に割るとこんな感じ。
半分に割る時に押してしまったので少しつぶれてしまいましたが、美味しかったです。一個まるまる食べればよかったな。
行こう、竹生島へ
約70分の滞在でしたが、個人的には時間が足りませんでした。かわらけ投げをやったり御朱印を頂いたりしていたら、急ぎ足の移動になってしまいました。まあ、写真もいろいろ撮っていたのも原因のひとつですね。
乗る舟によって滞在時間は変わりますが、約70~80分くらい。一般的にはちょうどよい時間設定だと思います。
竹生島を離れ、どんどん姿が小さくなっていくのを見ると名残惜しいですね。次に訪れる時には、もっとじっくり参拝したいと思います。
「神の棲む島」、竹生島。
皆さんも是非、訪れてみてください。
よい旅を。
たまのじでした。
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